店舗の内装費用|見積書の見方と減額交渉のポイント(飲食店)

創業融資

内装の見積書が届いた。合計金額を見て、高いのか安いのか分からない。

ほとんどの開業者がここでつまずきます。内装工事は人生で何度も発注するものではないので、比較の物差しを持っていないのが当たり前だからです。

この記事では、見積書のどこを見て、どこを交渉すればいいかを、実際の見積書の構成に沿って解説します。

見積書は5つのブロックでできている

飲食店の内装見積は、おおむね次の構成です。

①仮設・解体(養生、既存内装の撤去)/②内装仕上げ(床・壁・天井)/③設備工事(電気・給排水・ガス・空調・ダクト)/④厨房まわり(厨房区画、防水)/⑤諸経費(現場管理費、廃材処分)

このうち金額が大きく、かつ物件によって激しく変わるのが③設備工事です。デザインの話ばかりに気を取られがちですが、勝負は設備にあります。

金額を動かす3つの要因

1. 物件の状態(居抜きかスケルトンか)

電気容量・ガス配管・ダクトが飲食仕様で残っていれば、③がまるごと軽くなります。内装費を抑えたいなら、デザインを我慢するより、設備が残っている物件を選ぶほうが桁違いに効きます。

2. 「一式」の中身

見積書に「電気工事 一式」とだけ書いてあったら、分解を依頼してください。分電盤の交換なのか、配線の引き直しなのか、コンセントの増設なのか。中身が見えない一式は、比較もできないし、あとから「これは含まれていません」の温床になります。一式の行が多い見積書ほど、追加費用が出ます。

3. 誰に発注するか

デザイン設計と施工を同じ会社に任せるか、分けるか。窓口が一つで楽なのは前者ですが、設計料と施工費の内訳が見えにくくなります。相見積もりは最低2社、できれば施工実績に飲食店が多い会社を選んでください。住宅が得意な会社と飲食店が得意な会社では、厨房区画の防水やダクトの経験値が違います。

交渉できるところ、してはいけないところ

交渉の余地があるのは、仕上げ材のグレード、什器の支給(施主支給)、工期の柔軟性です。とくに照明や水栓金具を自分でネット調達して支給すると、それなりに下がります。

逆に、削ってはいけないのが防水と排気です。ここをケチった店は、開業後に階下漏水や臭気トラブルで、削った額の何倍も払うことになります。

減額交渉の前に、資金の上限を固める

見積もりの交渉は「予算があといくらか」が固まっていないと始まりません。予算は自己資金と借入で決まり、内装の見積書は融資審査の設備資金の根拠資料にもなります。着工前の見積書が審査に必要なので、順番としては、見積取得 → 融資申請 → 決定後に着工です。

開業資金全体のなかで内装費をどう位置づけるかは、開業資金の内訳を先に読んでください。

よくある質問

Q. 店舗の内装費用は坪単価いくらですか?
A. 一律の坪単価は言えません。スケルトンか居抜きか、設備工事の量、仕上げのグレードで数倍変わるからです。坪単価は「出てきた見積を坪数で割って比較する」ための道具と考えてください。
Q. 内装費は融資の対象になりますか?
A. 設備資金として日本政策金融公庫の融資対象になります。着工前の見積書が審査資料になるので、契約・着工は融資決定後が原則です。
Q. 見積もりが予算をオーバーしました。どうすればいいですか?
A. まず一式の分解と仕様の見直し、次に施主支給、それでも足りなければ工事範囲の縮小(二期工事化)です。防水・排気・電気容量は最後まで削らないでください。

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この記事は飲食店の開業・創業融資ガイドの一部です。資金の全体像、物件と設備、創業計画書、融資の申込までを準備の段階順にまとめています。