創業計画書と聞くと、「熱意のこもった文章を書かなければ」と思っていませんか?
でも、審査する側の視点に立つと、見ているものは少し違うんです。
そもそも、なぜ創業計画書が必要なのか
すでに営業している会社なら、決算書という「実績」があります。審査は、まず決算書を見れば済みます。
でも、創業者には実績がありません。実績の代わりに、審査に必要な情報を補うのが創業計画書です。
つまり計画書は、作文ではないんです。「実績がない自分を、それでも評価してもらうための証拠資料」。この位置づけが分かると、書き方が変わります。
証拠資料に必要なのは、美しい文章ではありません。つじつまです。
審査担当者が確認している「つながり」
具体的には、こういう線が通っているかを見られています。
経歴 → 事業内容のつながり。イタリアンで10年働いた人がイタリアンを開く。これなら説明は要りません。逆に、未経験の業態に挑戦するなら「なぜできるのか」の補強材料が必要です。修業先、パートナー、練習実績。経験と事業がつながっているほど、実現可能性の評価は上がります。
動機 → 準備のつながり。「ずっと開業が夢でした」と書いてあるのに、自己資金がほとんど貯まっていない。これ、動機と行動が矛盾して見えるんです。本気の動機は、準備の跡として現れているはず。貯金、資格、物件探し、情報収集。審査側はそう考えます。
売上 → 原価 → 経費 → 利益 → 返済のつながり。売上予測は強気なのに、人件費が異様に少ない。利益は出る計画なのに、月々の返済額を引くと生活費が残らない。数字のどこか一箇所でも「あれ?」があると、計画全体の信頼度が下がります。
整合性は「一発で書けるもの」ではない
大事なことを言います。整合性のとれた計画書は、一度書いて終わりでは作れません。
売上を現実的に直したら、返済が苦しくなった。だから借入額を見直した。すると設備計画も変わった。こんなふうに、計画書は全体を何度も往復して調整するものなんです。私が支援する場合も、初稿から提出版まで必ず数回の見直しを挟みます。
逆に言うと、一晩で書き上げた計画書は、たいていどこかで数字が破綻しています。そして面談の担当者は、破綻を見つけるプロです。
セルフチェックの3つの質問
提出前に、この3つを自分に問いかけてみてください。
その事業、あなたの経歴から「できそう」に見えますか?
その自己資金、動機の本気度と釣り合っていますか?
その利益から返済して、生活費は残りますか?
3つとも「はい」と即答できれば、計画書の骨格はできています。どれか一つでも詰まったら、そこが審査で突かれるポイントです。
まとめ
創業計画書で大切なのは、熱意の量ではありません。経歴・動機・数字が、一本の線でつながっていることです。
そして、そのつながりは何度も見直す過程でしか生まれません。
当事務所では、創業計画書を「代筆」ではなく「一緒に組み立てる」形で支援しています。ご自身の言葉で面談に臨める状態までお付き合いするのが方針です。無料相談で、いまの計画のつながりをチェックしてみませんか。
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この記事は飲食店の開業・創業融資ガイドの一部です。資金の全体像、物件と設備、創業計画書、融資の申込までを準備の段階順にまとめています。