ラーメン屋の開業資金と融資|居抜き800万・スケルトン1,500万の内訳

創業融資

ラーメン屋の開業資金は、10坪の居抜きで800万〜1,200万円、スケルトンなら1,500万円を超えます。

カフェや居酒屋と比べて高くなる理由ははっきりしています。火力・排気・給排水のすべてが重いからです。

この記事は、ラーメン屋特有の設備から資金を組み立てる順序で書いています。

ラーメン屋の開業資金が高くなる4つの設備要因

1. 寸胴とコンロの火力

スープを炊く寸胴は、深さがあり重量もあります。それを長時間強火にかけるため、業務用の高火力コンロが必要です。家庭用とも一般的な飲食店の標準コンロとも違います。

そして火力が上がるほど、ガス管の口径が問題になります。既存の配管が細ければ引き直しです。ガス会社の工事が入るため、数十万円から場合によっては百万円を超えます。物件を決める前にガス容量を確認してください。

2. 排気ダクトとグリスフィルター

湯気と油煙の量が多いため、フードと排気の容量が大きくなります。ダクトの経路が確保できない物件では、そもそも営業できません。

また、上階に住居がある物件では臭気のクレームが起きやすい業態です。消臭装置の設置を求められることがあり、これも数十万円の追加になります。

3. 給湯と製麺・茹で麺機

茹で麺機は連続して湯を使うため、給湯能力が要ります。給湯器の容量が足りなければ交換です。

自家製麺にするなら製麺機が加わります。小型でも100万円前後、ミキサーと熟成庫を含めると200万円を超えることがあります。製麺は「あとから足す」が難しい設備です。スペースと電気容量を最初の設計に織り込んでおく必要があります。

4. 床と防水

スープと湯を大量に扱うため、床の防水と排水勾配が重要です。ここを省くと階下漏水につながります。厨房機器の選定より先に、床の仕様を確認してください。

設備の考え方は厨房機器の揃え方でも整理しています。

ラーメン屋の開業資金レンジ

10坪・居抜き(前がラーメン屋または中華)

  • 物件取得費:150万〜250万円
  • 内装工事(部分改装):200万〜400万円
  • 厨房機器(残置活用・不足分の購入):150万〜350万円
  • 什器・食器・備品:50万〜80万円
  • 諸費用:30万〜60万円
  • 運転資金(6ヶ月分):200万〜300万円

合計:780万〜1,440万円

ラーメン屋の居抜きは、同業からの居抜きなら効率が良い一方、設備の消耗も激しい点に注意してください。寸胴コンロとフードは酷使されています。

12坪・スケルトン・自家製麺なし

  • 物件取得費:200万〜320万円
  • 内装工事(スケルトンから):600万〜900万円
  • 厨房機器:350万〜550万円
  • 什器・備品:60万〜100万円
  • 諸費用:40万〜70万円
  • 運転資金(6ヶ月分):250万〜350万円

合計:1,500万〜2,290万円

12坪・スケルトン・自家製麺あり

上記に製麺設備一式(製麺機・ミキサー・熟成庫・打ち粉対策の区画)として150万〜350万円が加算されます。加えて製麺スペース分の坪数が必要になるため、同じ客席数を確保するには物件が一回り大きくなります。

ラーメン屋は運転資金の見方が他業態と違う

ラーメン屋は原価率が高めで、かつ仕込みの先行投資が毎日発生する業態です。スープは前日から仕込みます。売れ残っても翌日に持ち越せる量には限りがあります。

さらに立ち上がりの読みが難しい。行列ができる店になるかどうかは、開けてみないと分かりません。認知が広がる前の数ヶ月をどう耐えるかが、そのまま生死を分けます。

運転資金は6ヶ月分を下限と考えてください。審査でも、開店初月から黒字という計画は現実味がないと判断されます。売上の見積もり方は飲食店の売上予測の立て方で解説しています。

修業先での経験は審査でどう見られるか

ラーメン屋の創業融資で強いのは、同業での実務経験です。公庫の創業計画書には経歴を書く欄があり、ここは形式的な項目ではありません。

有名店で3年働いた、というだけでは足りません。何を担当したか、仕込みを任されていたか、原価管理に関わったか、店舗の数字を見ていたか。この解像度で書けるかどうかで、審査担当者の受け取り方が変わります。

経験が浅い場合は、それを補う材料を用意することになります。詳しくは公庫審査に落ちる創業計画書のNG例を参照してください。

業態が変われば必要資金も融資額の相場も変わります。和食・割烹の独立ケースは川崎で修行10年の和食料理人が独立するときの創業融資で、客単価8,000円×席15の売上根拠と修行歴の書き方まで整理しました。修行系のラーメン職人が川崎で独立する場合は、川崎で修行10年のラーメン職人が独立するときの創業融資と事業計画書で1日提供杯数上限からの売上逆算と面談で強調すべき3点をまとめています。

よくある質問

Q. ラーメン屋の開業資金はいくら必要ですか?
A. 10坪の居抜きで800万〜1,200万円、スケルトンなら1,500万円以上が目安です。自家製麺を入れると150万〜350万円が上乗せされます。いずれも運転資金6ヶ月分を含んだ金額です。
Q. なぜラーメン屋はカフェより開業資金が高いのですか?
A. 火力・排気・給排水のすべてが重いためです。高火力コンロに合わせたガス管の口径、湯気と油煙に対応する排気ダクト、茹で麺機に必要な給湯能力、床の防水。この4点が金額を押し上げます。
Q. 自家製麺は最初から入れるべきですか?
A. 入れるなら最初からです。製麺機はスペースと電気容量を必要とし、あとから足すのが難しい設備です。ただし資金が厳しいなら製麺所からの仕入で始め、軌道に乗ってから移行する判断もあります。
Q. ラーメン屋の未経験開業でも融資は通りますか?
A. 経験がないと不利になるのは事実です。ただし審査は経歴だけで決まりません。数字の裏づけ、自己資金の積み立て履歴、事業計画の整合性で補える部分があります。何をどう補うかは個別に組み立てる必要があります。

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この記事は飲食店の開業・創業融資ガイドの一部です。資金の全体像、物件と設備、創業計画書、融資の申込までを準備の段階順にまとめています。