創業計画書が書けない7つのつまずき|症状別の原因と対処

創業融資

創業計画書が書けない、という相談の内容はだいたい7つに分かれます。

共通しているのは、「書き方が分からない」のではなく「決めていないことがある」という点です。手が止まるのは、書く技術の問題ではありません。

症状・原因・対処の順で並べます。自分がどれに当てはまるか見てください。

1. 売上の数字が埋められない

症状:「1日何人来るか分からないので書けません」

原因:正解の数字を当てにいこうとしている。

対処:正解を当てる必要はありません。求められているのは根拠のある仮説です。席数、想定回転数、客単価、営業日数。この4つを置けば数字は出ます。大事なのは各数字の理由が言えること。「席数16、ランチ1.5回転、これは近隣の同規模店を平日に3日観察した結果」と言えれば十分です。

組み立て方は飲食店の売上予測の立て方にあります。

2. 物件が決まっていないので全部が書けない

症状:「物件が決まってから書こうと思って止まっています」

原因:順番が逆になっている。

対処:物件が決まってから融資を申し込むと、審査中の家賃が丸ごと負担になります。先に「この条件の物件なら」という前提で計画を作り、資金の見通しを立ててから物件を探すのが正しい順序です。想定エリア、想定坪数、想定家賃で書けます。手順は飲食店の物件探しにまとめました。

3. 必要な資金の総額が出ない

症状:「内装がいくらか分からないので設備資金が書けません」

原因:見積を取る前に金額を想像しようとしている。

対処:内装業者に概算見積を依頼してください。物件が未定でも、坪数と業態を伝えれば概算は出ます。厨房機器はメーカーのカタログ価格と中古相場で置けます。開業資金の内訳の費目リストを埋める形で進めると抜けが減ります。

4. 自己資金の欄で手が止まる

症状:「自己資金が少ないので、多く見せたい」

原因:金額の大小だけを気にしている。

対処:見られているのは金額より出どころです。毎月コツコツ貯めた履歴は評価されます。逆に、申請直前に入金された資金は必ず理由を聞かれます。親族からの資金は、贈与なのか借入なのかをはっきりさせてください。曖昧なまま出すと、そこから信用が崩れます。詳しくは自己資金の出どころを読んでください。

5. 経歴の欄が薄いと感じる

症状:「飲食の経験が2年しかなくて、書くことがありません」

原因:肩書きだけを書こうとしている。

対処:年数より中身です。何を任されていたか。仕込みの担当範囲、発注をしていたか、シフトを組んでいたか、原価率を見ていたか、クレーム対応をしていたか。日々やっていたことを分解して書くと、2年でも厚みが出ます。「調理補助」と1行書いて終わらせるのが一番もったいない。

6. 数字と文章が食い違う

症状:自分では気づいていない。面談で指摘される。

原因:各欄を別々に埋めている。

対処:計画書は全体で1つの話です。「昼はテイクアウト中心」と書いたのに客単価が2,000円、「スタッフ2名」と書いたのに人件費が月18万円。こうした矛盾は必ず見つかります。書き終えたら数字だけを拾って一覧にし、文章と突き合わせてください。よくある崩れ方は公庫審査に落ちる創業計画書のNG例にあります。

7. 返済できる根拠が書けない

症状:「利益が出るのは分かるけど、返済の説明ができません」

原因:利益と返済原資を混同している。

対処:返済の原資は「税引後利益+減価償却費」です。減価償却は現金が出ていかない費用なので、返済に回せます。ここを押さえたうえで、月々の返済額がこの範囲に収まっているかを確認してください。収まっていなければ、借入額か設備計画を見直すことになります。

7つに共通する対処

どれも、決めていないことを決めれば書けるようになります。逆に言えば、白紙の様式を眺めていても進みません

順番としては、業態を決める → 想定物件の条件を置く → 資金を積み上げる → 売上を組む → 返済を確認する。この流れです。前に戻ることになっても構いません。

記入例を見ながら進めたい方は飲食店の創業計画書 記入例が参考になります。

よくある質問

Q. 創業計画書は何から書き始めればいいですか?
A. 業態を決めることからです。出すメニューが決まらないと、必要な設備も坪数も客単価も決まりません。様式の上から順に埋めようとすると手が止まります。
Q. 物件が決まっていなくても創業計画書は書けますか?
A. 書けます。想定エリア・想定坪数・想定家賃を前提として置けば全体が組めます。むしろ物件契約前に計画と資金の見通しを立てる方が、審査期間中の空家賃を避けられます。
Q. 飲食店の経験が短くても融資は申し込めますか?
A. 申し込めます。年数より、そこで何を担当していたかの中身が見られます。発注、原価管理、シフト作成など具体的な業務を分解して書いてください。
Q. 返済できる根拠はどう書けばいいですか?
A. 返済原資は税引後利益と減価償却費の合計です。月々の返済額がその範囲に収まっているかを示してください。収まらない場合は借入額か設備計画の見直しが必要です。

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この記事は飲食店の開業・創業融資ガイドの一部です。資金の全体像、物件と設備、創業計画書、融資の申込までを準備の段階順にまとめています。